News&Review :特別版 第24号(2015年8月4日発行)

【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第24号】
(2015年8月4日)       [転送・転載歓迎/重複失礼]

8月4日に行われた集中質疑のダイジェストをお送りします。ぜひご一読く
ださい。

質疑を重ねれば重ねるほど、安倍政権が法案を正当化するために持ち出し
てきた「ホルムズ海峡」「機雷掃海」「米艦防護」などの理屈がことごと
く崩れ去っていきます。代わりに現れてくるのは、米軍とともに共同軍事
作戦に踏み込む自衛隊の露骨な姿です。

4日の質疑では「ミサイルも弾薬」とのあり得ない珍解釈まで飛び出しま
した。こうした茶番を終わらせなければいけません。

中谷防衛相、ミサイルも「武器」に当たらず(8月4日、TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2555621.html

武藤議員 ツイッター書き込み撤回しない(8月4日、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150804/k10010177891000.html

【資料】参議院安保法制特別委員会(計45人)メンバーの要請先一覧
http://www.sjmk.org/?page_id=349
※FAX、電話での要請にお役立てください!

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【8月5日(水)参議院安保法制特別委員会 一般質疑】

※首相出席なし、NHK中継なし

10:00~10:39 北村経夫(自民)
10:39~11:09 三宅伸吾(自民)
11:09~11:59 白眞勲(民主)
休憩
13:00~13:50 藤末健三(民主)
13:50~14:25 平木大作(公明)
14:25~14:55 寺田典城(維新)
14:55~15:25 大門実紀史(共産)
15:25~15:41 アントニオ猪木(元気)
15:41~15:57 浜田和幸(次代)
15:57~16:13 水野賢一(無ク)
16:13~16:29 又市征治(社民)
16:29~16:45 主濱了(生活)
16:45~17:01 荒井広幸(改革)

ネット中継 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

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【8月4日(火)参議院安保法制特別委員会集中質疑 ダイジェスト】

※首相出席、NHK中継あり、6時間54分

ネット中継アーカイブ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
※カレンダーの日付(4日)をクリックしてご覧ください。

◆山本一太(自民)
「維新の対案については?」
安倍首相「片山虎之助議員との議論を通じてわかりやすくなった。情勢認
識は共通だ。次世代の党からも申し入れをいただいた」
山本「「この国は危ない方向へ向かっている」などの情緒的意見があるが、
総理は慎重なリアリストで冷静な戦略的アプローチをしている」

◆山本一太
「中韓はEEZ(排他的)を管理する法律を持っている。平成25年の海洋基
本計画でEEZ管理法を進めると決めたが進んでいない。武見敬三議員と協
力してワーキングチームを作り、私が座長となった。議員立法を後押しし
てほしい」
安倍「提案の内容を伺い、政府として検討する」

◆山本一太
「外国への攻撃が日本の安全に直結するケースとは?」
安倍「ミサイル防衛の一角である米イージス艦が破壊されると、日本防衛
に大きな支障がある。日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から脅か
されることが起こり得る。これは「必要最小限度」の中に入ると判断した」

◆山本一太
「お母さんたちに「米国の戦争に巻き込まれる。反対できない」との声が
ある。ミサイル防衛では米日イージス艦が米国衛星の情報をリンクして共
同対処する。日米同盟が近くなり完全に機能することになる。疑問が出て
くるのは当然だ。要請があっても3要件に当てはまらない場合はしっかり
NOと言えると明言を」
安倍「憲法上できないので明確にNOを言うのは当たり前だ。3要件に当て
はまっても政策的に判断する」

◆佐藤正久(自民)
「白石隆氏ら国際政治、国際法の専門家でつくる「安全保障法制を考える
有志の会」が各党・会派に要望書を提出された。そこでは「与野党の議論
は極めて狭い観点からなされている」「台頭する中国や北朝鮮にどう対応
するか」など重要な指摘がなされている」
安倍「大切なご指摘だ」

◆佐藤正久
「カンボジアやイラクで邦人から「助けてくれ」との要請を受けた際、自
衛隊は現場で工夫してなんとか対処してきた」
安倍「邦人やNGOを危険から守る法的権限がないため悩んできた。この法
案で国際的にほぼスタンダードな形で駆けつけ警護などができるようにな
る」

◆佐藤正久
「自衛隊が行うのは、例えば空港から輸送拠点までの「セカンドライン」
を運ぶこと。そこからの「ファーストライン」は米軍が運ぶ」「米軍はイ
ラク戦争の際、サウジにも拠点を設けたのか?」
岸田「米軍はサウジに複数の拠点を設け、食料や部品の調達、提供を行っ
た」
佐藤「隣国に拠点を設けることはこれからも考えられる」

◆佐藤正久
「住民との信頼関係の構築はどのように行ってきたか?」
中谷大臣「「スーパーうぐいす嬢作戦」という声かけをして住民に親近感
を持ってもらったり、「GNN」という「義理、人情、浪花節」、日本人の
持つ人間的考え方をもって誠実に現地の人の心の中に浸透することなどを
行ってきた」

◆小川勝也(民主)
「昨日から今朝にかけて礒崎総理補佐官から辞表は届いたか?」
安倍「質疑は拝見した」
小川「届いたのか?」
安倍「礒崎補佐官は発言を取り消した。法的安定性は重要と認識された」
小川「参考人質疑後、補佐官と話したか?」
安倍「話していない」

◆小川勝也
「補佐官を務めたことがあるが、私なら身を退く。たしなめて辞任を促す
のが惻隠の情ではないか?」
安倍「「誤解される発言は注意すべき」と伝えた。発言を取り消し「法的
安定性が重要」と述べた。引き続き職務にあたってほしい」
小川「他の野党の皆さんの思いは礒崎さんに伝わっていない。質疑要求も
あり、礒崎氏を参考人に再度呼ぶべきだ」

◆小川勝也
「「炎上」というキーワードは得意ではないが、自民党の文化芸術懇話会
メンバーで「戦争に反対する人は自己中心的」と発言した武藤貴也議員は、
7月23日のブログで「戦後日本は憲法の三大原則を疑うことなく至高のも
のとしてきたが、三大原則は日本を破壊する」と書いた。自民党所属議員
であり、精査して対応すべきだ」
安倍「必要なら精査行う」

◆小川勝也
「総理、憲法9条を読んでいただいてよろしいか?」
安倍首相、(仕方なく)朗読。
小川「総理は憲法9条2項はお嫌いですか?」

◆小川勝也
「米イージス艦が単独で日本近海に来ることはあり得るか?」
安倍「1隻で来ることはないが、詳しいことはオペレーションに関わるの
で控える」
小川「米軍は自己完結型だ。日本のイージス艦に守られるのはあり得ない
と認めるべきだ。また、敵地攻撃能力を持たない自衛隊は米艦を守れない」

◆櫻井充(民主)
「ウィキリークスが暴露した盗聴問題で国家安全保障会議は開いたか?」
安倍「民間団体の出所不明文書へのコメントは控えたい。クラッパー米国
家情報長官と連絡を取り、事実関係を確認中だ」
櫻井「フランスは国防関係閣僚会議を開き大統領同士の電話協議も行った。
日本もこれくらい強い態度をとるべきだ。国家安全保障会議も開くべきだ」

◆櫻井充
「総理はかつて憲法調査会で憲法を「日本人の心理に悪い影響を及ぼして
いる」と発言した。私はそう思わない。どこをそう感じるのか?」
安倍「現行憲法は極めて短期間で米軍が案を作り出来たものだ。自分たち
でもう一度新しい憲法を作る精神をとり戻そうということだ」
櫻井「総理は「憲法前文は全く白々しいものと言わざるを得ない」とも述
べている。前文には「主権が国民に存する」と書かれている。「白々しい」
と言うのはおかしい」

◆櫻井充
「朝鮮戦争でも後方支援で物搬を担った人が死亡した。ベトナム戦争でも
米軍に直接雇用された4人の日本人が亡くなった。朝鮮戦争については、
防衛研究所の石丸研究員が「朝鮮戦争と日本の関わり~忘れられた海上輸
送」という文書を書いている。後方支援のリスクは高いのではないか?」
中谷「朝鮮戦争もベトナム戦争も、そのケースの事実関係を責任をもって
コメントできない」

◆矢倉克夫議員(公明)は「韓国によると2500~5000トンの化学兵器を保
有」などとひたすら北朝鮮の核・ミサイルの「脅威」や弾道ミサイル防衛
の必要性などを強調。「ある情報によれば」と出所不明の情報まで持ち出
し「125万発の化学兵器弾頭が作れる」とまで言及。

◆小野次郎(維新)
「憲法学者など専門家から「違憲」だと酷評されている。どこが理由だと
思うか?」
安倍「国際政治、安全保障の専門家からは高い評価もいただいている。6
割を超える憲法学者が「自衛隊が憲法違反」と答えている、そういうこと
かと思うしかない」
小野「勉強をあまりなさっていないようだ。「基本的論理の枠内にない」
と専門家が言っている。「存立危機事態」の条文の「我が国の存立が脅か
される明白な危険」とは「我が国への武力攻撃」とされてきた。その脳み
そ、心臓部分をカセットのように入れ替えるのは通らない、と言われてい
る」

◆仁比聡平(共産)
「海上幕僚監部の内部資料には、機雷掃海や米艦防護を「自衛隊法88条に
基づく武力の行使として実施」と書かれている。武力の行使として行われ
ますね?」
中谷「そうです」
仁比「存立危機事態で武力行使をしている場合の後方支援なのか?
中谷「自ら武力行使している状況だ」

◆仁比聡平
「海上幕僚監部の内部資料に「存立危機事態における海上作戦(例)」の
図もある。こうした海上作戦を考えているのか? 安全な場所で行えるか?」
中谷「新3要件に該当すれば憲法上の問題はない」
仁比「現に戦闘が行われる場所だ」
中谷「安全を保して実施する」
仁比「根拠がない」

◆仁比聡平
「総理は機雷掃海を「静穏な状況で行う」と答弁してきた。この図ではま
さに戦闘の最中で機雷掃海や米艦防護等の日米共同海上作戦を行うのでは
ないか?」
安倍「戦闘行為の最中で機雷掃海はできない」
仁比「国会審議がひっくり返るような大問題だ。これが憲法9条違反でな
くて何なのか。廃案しかない」

◆井上義行(元気)
「「必要最小限度」に弾道ミサイルを入れるべきだ。国民が亡くなる前に
弾道ミサイルで相手の基地を叩くべきだ」
中谷「法理上は他に手段がない時に敵基地を叩くのは可能だが、装備体系
を持たず想定もしていない」
井上「内乱が起きた時に拉致被害者を自衛隊が救えるようにすべきだ」

◆中西健治(無ク)
「LNG(液化天然ガス)の調達先は1位豪州、2位カタール、3位マレーシア、
4位ロシア、5位インドネシアと多角化している。ホルムズ海峡への依存は
2200万トンで24.4%に過ぎない。日本企業が関与するLNGプロジェクトは
たくさんある。米国とカナダだけで引き取りのメドがついているものは
2560万トンある。存立危機事態の第2要件に当たる可能性はない」
中谷「石油や天然ガスの途絶の長期化は高齢者や病人などに影響する。機
雷を除去するしかない」(=説得力はまったくなし)

◆福島みずほ(社民)
「なぜ礒崎補佐官を更迭しないのか。法的安定性を最も破壊しているのは
安倍総理だからだ」
「集団的自衛権が使われた今までの14事例に「正しい戦争」はあるか?」
岸田「「正しい」の意味がわからないが、国連安保理への報告事例だ」
福島「瀬戸内寂聴さんは国会前で「正しい戦争なんかない。戦争とは人を
殺すことだ」と話された」
安倍「国際法上、戦争は違法化されている。集団的自衛権をフルに使える
他国とは違う」

◆福島みずほ
「恒久法にすると国会審議がなくなり、国会の関与が薄くなる。また、存
立危機事態対処の防衛出動や重要影響事態の後方支援では事後承認が可能
だ。国会の関与がないのではないか?」
中谷「ご指摘はあたらない。できる限り国会承認を求めていく」

◆福島みずほ
「クラスター爆弾や劣化ウラン弾は武器ではないか?」
中谷「弾薬です」
福島「ミサイルはどうか?」
中谷「日米のACSA(物品役務相互提供協定)では相互提供の対象ではない
が、あえて当てはめれば弾薬にあたる」
福島「ミサイルも劣化ウラン弾もクラスター爆弾も全て弾薬とはインチキ
だ。私も法律家だが驚きだ。許してはならない」

◆福島みずほ
「米国はサイバー攻撃に対して相手国に武力攻撃し得るとしている。日本
もそうする事があり得るか?」
中谷「法理としては考えられるが、今まで事例はなく、国際的にも様々な
議論がある。見すえながらさらに検討する」
福島「「専守防衛は変わらない」「戦争に巻き込まれない」はウソだ。国
民にウソをつくことは許されない。退陣すべきだ」

◆主濱了(生活)
「法案には存立危機事態の防衛出動など様々な大改正が入っている。これ
までの防衛費では間に合わない。予算の見通しは?」
中谷「5年間で0.8%伸ばすという計画は変わらない」
主濱「様々な業務が増えるのに予算が増えないのはおかしい。日本防衛が
希薄になる」

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<特別版 第23号(8月3日の礒崎補佐官参考人質疑&一般質疑録はこちら
http://www.sjmk.org/?page_id=375

<特別版 第22号(7月29日の参院集中質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=371

<特別版 第21号(7月28日の参院集中質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=357

<特別版 第20号(7月27日の参院本会議質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=354

<特別版 第19号(7月17日の衆院強行採決抗議声明はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=359

<第18号以前のバックナンバーはこちらからご覧ください>
http://www.sjmk.org/?page_id=11

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発行:集団的自衛権問題研究会
代表・発行人:川崎哲
News&Review特別版 編集長:杉原浩司
http://www.sjmk.org/
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◆発売中の『世界』8月号に当研究会の論考が掲載されています。
ぜひご一読ください。
http://www.sjmk.org/?p=300

◇『世界』7月号、6月号にも論考が掲載されました。
http://www.sjmk.org/?p=194
http://www.sjmk.org/?p=118

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