News&Review :特別版 第22号(2015年7月29日発行)

【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第22号】
 (2015年7月29日)        [転送・転載歓迎/重複失礼]

7月29日の参議院特別委員会の集中質疑のダイジェストをお送りします。
様々な角度からの鋭い質問が相次ぎました。内容を見てもわかる通り、
本来なら「勝負あった」あるいは、質疑中止でしばらく空転してもおか
しくないほど、政府は防戦に追われました。

政府側に「時間を積み重ねればいい」と思わせるのではなく、一つひと
つの重大な問題点をメディアや市民がさらに追及していくべきなのだと
思います。

30日も活発な論戦が繰り広げられそうです。注目と監視をお願いします。
なお、今週の質疑は30日まで、来週は8月3日(月)13時~17時の一般質
疑(首相出席なし)からスタートします。

【動画】安保関連法案、“他国軍の支援”海自内部資料明らかに
(7月29日、TBS)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150729-00000048-jnn-pol

【資料】参議院安保法制特別委員会(計45人)メンバーの要請先一覧
http://www.sjmk.org/?page_id=349
※FAX、電話での要請にお役立てください!

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【7月30日(木)安保法制・参議院特別委員会 質疑】

首相出席、NHK中継あり、約7時間

9:00~9:46  森まさこ(自民)
9:46~10:31 塚田一郎(自民)
10:31~11:54 広田一・前川清成(民主)
休憩
13:00~13:32 広田一・前川清成(民主)
13:32~14:12 谷合正明(公明)
14:12~14:45 真山勇一(維新)
14:45~15:18 井上哲士(共産)
15:18~15:35 山田太郎(元気)
15:35~15:52 中山恭子(次代)
15:52~16:09 中西健治(無ク)
16:09~16:26 福島みずほ(社民)
16:26~16:43 山本太郎(生活)
16:43~17:00 荒井広幸(改革)

※ネット中継 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

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【7月29日(水)安保法制・参議院特別委員会 質疑ダイジェスト】

首相出席、NHK中継あり、約7時間

ネット中継アーカイブ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
※カレンダーの日付(29日)をクリックしてご覧ください。

◆西田実仁(公明)
「昨日、存立危機事態への対応は戦争への参加か?」との質疑があった。
憲法9条のもとで許される自衛措置を「戦争への参加」と呼ぶのはかなり
違和感がある。あくまで自衛のための措置ではないか?」
安倍首相「ご指摘の通りだ。国連憲章で戦争は違法化されている。集団的
自衛権は国際法上正当だ」

◆西田実仁
「昨日、先制攻撃ではないか、との質疑もあった。先制攻撃とは相手が武
力行使していないのに武力行使するものでは?」
岸田外相「集団的自衛権は他国への武力攻撃の発生が大前提だ。武力行使
の違法性を阻脚するものとして認められており、先制攻撃とは全く異なる」

◆西田実仁
「日中防衛当局間の海空連絡メカニズムとはどのようなものか? 早期運
用の見通しは?」
中谷大臣「定期会合やホットラインの開設などであり、不測の衝突を回避
するためのもの。早期運用開始は日中の相互理解に資するものであり、努
力していく」

◆西田実仁
「有事にならぬように平素の対応が重要だ。互いの武器を守り合う「武器
等防護」はどのような連携活動を行っている時に行うのか?」
石川博崇防衛政務官(公明)「「我が国の防衛に資する活動」とは、弾道
ミサイル警戒を含む情報収集、共同訓練、重要影響事態での輸送や補給だ」

◆小池晃(共産)
「海上自衛隊の内部資料(6月)を見ると、日本は「武器使用」と「武力
行使」を分けているが、他国では「USE OF FORCE」としか書かれていない。
どういう意味か」
岸田「武力の行使」
安倍「自己保存のための自然権的権利としての武器使用は禁じられていない」
小池「自衛隊自身が「武力の行使」に当たると認めている。防衛省はこれ
を認めるのか」
中谷「防衛省として公表していない。入手の経緯が明らかでなくコメント
できない」
小池「国会に一度も出さない資料で内部で議論している。国会を止めていい
大問題だ。正式に資料の提出を」

◆小池晃
「法律上、運んでいけない武器はあるか? 米軍ミサイルや戦車は?」
中谷「法律で除外していない」
小池「ロケット弾も戦車砲弾も榴弾砲弾なども提供できるか?」
中谷「特に排除していない」
小池「空中給油や洋上給油もできる」
中谷「現に戦闘が行われている現場以外で可能だ」

◆小池晃
「(海上自衛隊の内部文書の図を示して)敵潜水艦を攻撃した米軍戦闘ヘ
リが給油で海自のヘリ空母に戻ってくる。そこで給油や整備をしてまた飛
び立ち攻撃する。敵の魚雷の射程外ならここまでやれるというのは大変な
ことだ。世界中の誰が見ても、日本国民が見ても、米軍と一緒に戦争して
いる、一体となった武力行使にしか見えない。交戦国であり明白な憲法違
反だ」
安倍「一体化しない中での後方支援だ」

◆小池晃
「米軍資料には「兵站の部隊、設備、施設は軍事行動の格好の攻撃対象」
とある。総理は兵站が現在の無秩序な攻撃に弱いと認識しているか?」
安倍「同じ文書には「兵站の拠点で安全確保は重要な要素」ともある」
小池「総理が言うのは古典的な話だ。実態はそんなもんじゃない」

◆小池晃
「米軍の環境政策研究所のレポートでは、補給任務の死者はイラクで2858
人、アフガンで188人。その50%が燃料、20%が水、これが実態。文書の書
き出しは「戦場での燃料、水の補給は命懸け」だ。この実態を認めないの
か?」
安倍「我が国はアフガンに送っていない。諸外国の実態把握は困難だ。9
条の制約や法律上の規定により、戦闘行為が発生しないと見込まれる場所
を実施区域にして活動する。一括りに比較はできない」

◆小池晃
「アフガンやイラクではIED(即席爆発装置)が路肩に仕掛けられ、多く
の死傷者が出ている。総理、IEDはご存知か?」
中谷「道路の横に仕掛けられた爆薬」
小池「あらゆる場所が戦闘現場になる。今度は「非戦闘地域」をなくすこ
とになる。「安全な場所だから大丈夫」は成り立たない」

◆小池晃
「アフガン報復戦争は無辜の市民の犠牲を生んだ。2007年から2014年まで
に21414人が、今年4ヶ月だけで984人が死亡した。2000年と2014年のテロ
による世界の死者数は?」
平松外務省総合外交政策局長「2000年は4422人、2014年は43512人」
小池「10倍になっている。報復戦争はテロの拡大再生産をもたらした。そ
ういう認識はないのか?」
安倍「テロは過激主義から発生している。アフガンがテロリストの基地に
なっていたら大変なことになっていた」
小池「ISは許せないが、米国の軍事攻撃がテロを拡散したのは世界が認め
る事実だ」

◆小池晃
「アフガン戦争はベトナムを超えて米国史上最長の戦争になった。今も約
1万人の米軍が駐留している。作戦海域には空母打撃群や遠征打撃群が15
年間繰り返し出撃してきた。ごく最近でも、カールビンソン空母打撃群は
1万2千回の攻撃、50万ポンド以上の大量の爆弾を投下した。これが「集団
的自衛権」の名で行われた直近の戦争だ。これが正しい戦争と言えるか?」

◆松田公太(元気)
「世界中で安全にビジネス、文化交流できるのが日本の平和ブランドの力
だ」「イラク戦争の検証と説明が不十分ではないか。英国はブレア元首相
らを呼んで、テレビ中継も含めたオープンな検証を行った。オランダも日
本の4ページとは異なり、500ページの報告書を作った」

◆和田政宗(次代)
「政府案は武器使用制限が厳しすぎ、グレーゾーン事態対処も不十分だ」
「抑止の観点から潜水艦に巡航ミサイル「トマホーク」を装備してはどう
か。イージス艦1隻で1000発のトマホークが購入できる」
中谷「敵基地攻撃能力は保有しておらず、想定もしていない」

◆水野賢一(無ク)
「調査・研究の名目で自衛隊艦艇を派遣している。いくらでも拡大解釈で
き、国会承認もいらない。ルールや歯止めはないのか?」
中谷「所掌事務の遂行に必要な範囲であり、国民の権利・義務には関わら
ない。国際法や憲法に従い行われるもの。節度ある情報収集を行っていく」

◆水野賢一
「「密接な関係にある他国」は国交のない国も含むか」との質問主意書に
「外交関係のない国も含む」との答弁書があった。「台湾も含むか」の問
いには「意味するところが困難なのでお答えできない」と。台湾も含むか?」
岸田「あらかじめめここは該当と示すものではない」

◆水野賢一
「自衛隊法に国外犯処罰規定を設けたのは一定評価するが、決定的な点が
欠けている。武器の不当使用への罰則がスッポリ抜けている。なぜ抜いた
のか?」
中谷「ご指摘の点は不断の検討をしていく」
水野「法律に不備がある。欠陥がありこれ以上審議できない。出し直しを
要求する」

◆水野賢一
「自衛隊は武器を持つ特性がある。今までの「1年以下の懲役」は甘過ぎ
る。一発の銃声から泥沼の戦争になる」「総理も大臣も問題があると言っ
ている。出し直しを要求する」
安倍「問題があるとは言っていない」
水野「これ以上質問できない」
鴻池委員長「もう時間なので、次回に継続を」

◆吉田忠智(社民)
「自衛隊員が撤退しない、できない場合、応戦しないで拘束されたら、ジ
ュネーブ条約上の「捕虜」ではない、無権利状態に置かれるのではないか?」
中谷「後方支援は安全な場所で実施する。従来と安全面で変わりない。戦
闘に巻き込まれることはない」

◆吉田忠智
「SEALDsという大学生、若い人たち、子どもを持つお母さん、学者、文化
人、芸能人、中年の皆さん、幅広く反対の声があがっている。元内閣法制
局長官が国会で発言するようなことは今までなかった。将棋で言うと詰ん
でいる。新国立競技場で政治判断できたのだから、法案を撤回して出直す
べきだ」

◆山本太郎(生活)
「辺野古から6人が傍聴にいらしている。民主主義、立憲主義とは何かを
明らかにしたい。4つの点から安保法制に反対する。1)9条違反の違憲立
法 2)後方支援は武力行使そのもの 3)自衛隊が米軍の戦争犯罪に加担し
加害者になってはいけない 4)紛争は外交と人道支援で解決する。

◆山本太郎
「様々な事態を想定しシミュレーションしているそうだが、稼働原子炉が
弾道ミサイル攻撃を受けた場合、最大でどの程度の放射性物質の放出を想
定しているか」
田中規制委員長「弾道ミサイル直撃時の対策は求めておらず想定していな
い。設置者への規制で対処する問題ではない」
山本「ミサイル着弾により東電福島原発の1000分の1の放出で済むとは思
えない。質問主意書でも「仮定の質問で答えられない」と。でも、この法
案も仮定や想定で作っている。都合のいい時だけ「仮定」を連発して、タ
ーゲットになる核施設の想定ができないとは、どんだけご都合主義か」

◆山本太郎
「本気で人々の生命、財産、幸福追求権を守るのなら、一番脆弱な核施設
の防御を考えるべきだ。弾道ミサイルが着弾した場合、何km圏までの避難
計画を策定するのか?」
大庭内閣官房審議官「特定の定量的な被害は想定していない。事態の推移
等を正確に把握し範囲を決定する」

◆山本太郎
「ミサイルが核施設に着弾しても、一度被曝していただく、実測値で測る
しかないという話。こんないい加減な話はない。誰の税金で霞ヶ関や永田
町がやっていけてるのか。1日3億円近くかかる国会を95日間も延長してお
いて、最悪のパターンを想定していない。あきれて物が言えない」

◆山本太郎
「地域防災計画のために規制委員会が作った基準は、東電福島原発の放出
量の100分の1。これは希望的観測に過ぎない。事故が起きたら「想定外」
でまた泣き寝入りか。あまりにおかしい」
安倍「武力攻撃による大規模放出に臨機応変に対処するのは当然だ
山本「きちんとシミュレーションすべきだ」

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<特別版 第21号(7月28日の参院集中質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=357

<特別版 第20号(7月27日の参院本会議質疑録はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=354

<特別版 第19号(7月17日の衆院強行採決抗議声明はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=359

<第18号以前のバックナンバーはこちらからご覧ください>
http://www.sjmk.org/?page_id=11

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発行:集団的自衛権問題研究会
  代表・発行人:川崎哲
  News&Review特別版 編集長:杉原浩司
   http://www.sjmk.org/
   ツイッター https://twitter.com/shumonken/
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◆発売中の『世界』8月号に当研究会の論考が掲載されています。
ぜひご一読ください。
http://www.sjmk.org/?p=300

◇『世界』7月号、6月号にも論考が掲載されました。
http://www.sjmk.org/?p=194
http://www.sjmk.org/?p=118

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