集団的自衛権問題研究会 発足にあたって

いま、日本の「戦後」は岐路に立たされています。安倍政権がめざす集団的自衛権の行使容認は、戦後日本が憲法のもとで掲げてきた平和主義に、取り戻しのつかない重大なインパクトを与えうるものです。

「集団的自衛権問題研究会」は、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認がはらむ問題点を明らかにし、全国的な議論を促すため、今年五月に発足しました。研究者、ジャーナリスト、NGO関係者らの参加のもと調査と研究を進めていきます。

憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認することは、第一に、立憲主義に対する深刻な挑戦です。第二に、専守防衛に徹し、自衛のために必要最小限度の防衛力を持つが軍事大国にはならないとする日本の基本政策を大きく変質させます。周辺諸国の政策にも少なからぬ影響を与えます。第三に、事実上、米国が主導する戦争に日本が参加していくことを意味します。戦争放棄を掲げた「平和国家」日本の根幹を変えるものと言えます。

本研究会ではこれら各論点を掘り下げ、政策ペーパーを発表していくほか、与党や自衛隊の関係者との意見交換を進め、研究会合を開催していく予定です。

5月15日の安全保障の法的基盤の再検討に関する懇談会(安保法制懇)の報告書提出と安倍首相による「基本的方向性」発表をふまえ、現在与党協議が行われています。夏までに閣議決定との報道もあるが。きわめて重大な問題であり、期限を区切ることなく、徹底的に、かつ慎重で広範な論議が望まれます。本研究会では論点と事実の整理を行い、このウェブサイト上でも公開していきます。

2014年6月

集団的自衛権問題研究会・代表 川崎哲